仏教
仏教
仏教とは、ブッダ(仏陀)を開祖とする宗教のことをいいます。
直訳は、『ブッダ(仏陀=悟りを開いた者)の教え』となり、略称して仏教といいます。
仏教は、インド・ネパールを布教・伝道圏とする、ブッダにより開かれました。
今から、約2,500年前、ブッダのインド・ネパールでは、ヴァルナ(四姓)制度・バラモン(婆羅門)の支配階級とは別に、サマナ(沙門)という出身・出自を問わない自由な立場の思想がありました。
仏教は、このサマナを原点とする経緯から、自然崇拝・民族崇拝などの原始宗教形態がない、固有の成り立ちがあります。
仏教は、インド・ネパールの輪廻思想・解脱思想に基づき、人生は、永遠に続く、苦しみの輪廻を繰り返すと説きます。
その苦しみの輪廻から抜け出すことが、悟りの解脱であると説きます。
その悟りの解脱は、修行により達成できると説きます。
このような思想から、仏教には、四諦・八正道・十二縁起・四法印などの教義があります。
四諦とは、ブッダが初転法輪で説法された教義です。
四諦は、苦諦・集諦・滅諦・道諦のことをいいます。
苦諦とは、人生は苦しみであると説き、集諦とは、苦しみの原因は煩悩であると説き、滅諦とは、煩悩を滅した境地が悟りであると説き、道諦とは、悟りに至るための八正道を説きます。
八正道とは、正見(正しく見る)・正思惟(正しく考える)・正語(正しい言葉を使う)・正業(正しい行為を行う)・正命(正しい生活を送る)・正精進(正しい努力を行う)・正念(正しい信念を持つ)・正定(正しく心を静める)の8通りの正しい仏道のことをいい、その実践を奨励しています。
この八正道は、戒・定・慧の三学に分類すると、正見・正思惟が戒に、正語・正業・正命が定に、正念・正定が慧に、正精進は三学全般に該当しています。
十二縁起とは、個々の関係同士が機縁(縁)となり、物事が生起(起)することをいい、12通りの定説が命名の由来になっています。
本来、縁起とは、原因(因)・結果(果)が独立自在でなく、相互関係にあるものをいいます。
十二縁起は、無明(迷いの世界)・行(思考作用)・識(識別作用・)・名色(物質現象〈体〉・精神現象〈心〉)・六処(眼・耳・鼻・舌・身・意)・触(接触作用)・受(感受作用)・愛(渇愛)・取(執着)・有(存在)・生(生誕)・老死(老い・死)のことをいい、苦しみの迷いを詳細に分析しています。
この十二縁起は、煩悩(惑)→行為(業)→苦悩(苦)の迷いの根本原因を表現しています。
四法印とは、諸行無常・諸法無我・涅槃寂静の三法印に、一切皆苦を加える思想のことをいいます。
諸行無常とは、一切は無常であり、諸法無我とは、一切は無我であり、涅槃寂静とは、一切の苦しみからの解放が悟りであり、一切皆苦とは、一切は苦しみであると説きます。
四法印は、仏教的思想の代表格であり、他の宗教に類を見ません。
仏教は、初期仏教・部派仏教・大衆部仏教・上座部仏教・小乗仏教・大乗仏教などに分類されています。
壬申13(552)年、日本に伝来した仏教は、現在、13宗派あり、宗名は、法相宗・律宗・華厳宗・真言宗・天台宗・浄土宗・浄土真宗・融通念仏宗・時宗・臨済宗・曹洞宗・黄檗宗・日蓮宗に分類されています。
なお、球陽寺(コザ山 ライカム院 球陽寺〈コザ本願寺《沖縄市》〉)の宗旨は、親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗です。