宗教
宗教
宗教とは、一般論として、人間・自然を超越した、絶対的な存在を中心とする信仰のことをいいます。
また、その教義・儀式・施設・組織などから構成される、思想的な社会集団のこともいいます。
宗教の語源は、ラテン語のreligio(ふたたび〈再・宗〉・むすびつける〈結・教〉)という、god(神)と人との再結(救済)を定義する、キリスト教思想から発生しています。
また、『宗の教え』、つまり、究極の原理・真理を意味する『宗』についての『教え』を定義する、仏教思想も関連しています。
学問的には、フリードリヒ・ダニエル・エルンスト・シュライエルマッハー(哲学者〈ドイツ〉)の絶対的依存感情、エドワード・バーネット・タイラー(人類学者〈イギリス〉)の霊的依存信念との意訳もあります。
世界の宗教の信者数は、キリスト教・約20億人(33.0%)、イスラム教・約11億9,000万人(19.6%)、ヒンドゥー教・約8億1,000万人(13.4%)、仏教・約3億6,000万人(5.0%)、ユダヤ教・約1,400万人(0.2%)、その他・約9億1,000万人(15.0%)、無宗教・約7億7,000万人(12.7%)との統計があります。
仏教・キリスト教・イスラム教は、世界宗教とも世界三大宗教ともいい、人種・民族の枠に捉われることなく、国・地域も広範囲に跨っています。
この世界宗教に対し、特定の民族・地域にのみ信仰される宗教は、民族宗教と呼ばれ、ヒンドゥー教・ユダヤ教・神道・『琉球・沖縄学』などが分類されています。
また、宗教は、多種多様な学問的分野にあって、直接的宗教・間接的宗教に分類されています。
直接的宗教とは、純然たる宗教自体が中心ですが、間接的宗教では、神話・伝説、教(経)典・教義、詠唱・書物などが該当しています。
必然として、儀式・法要、各種行事・生活習慣などが加味される場合もあります。
芸術・音楽・舞踏・建築など、宗教が別次元にて具現化されることもあります。
宗教は、歴史的段階として、アニミズム(汎霊信仰)→多神教→一神教と、思想的発展を中心に分類する学説があります。
また、自然宗教→倫理宗教と、学問的発展を中心に分類する学説があります。
さらに、原始宗教→古代宗教→世界宗教→近代宗教と、哲学的発展を中心に分類する学説もあります。
宗教は、世界四大文明の影響を受け、その内容が発展している現実があります。
顕著な事例として、インド・ウパニシャッド哲学家の登場(紀元前9世紀~紀元前6世紀)、イスラエル・預言者の登場(紀元前8世紀~紀元前7世紀)、中国・思想家の登場(紀元前6世紀~紀元前5世紀)、ギリシャ・哲学家の登場(紀元前6世紀以降)などが有名です。
一方、日本の宗教は、世界的に特殊な形態にあるといわれています。
これは、日本の宗教的歴史より、仏教・儒教・キリスト教などの外来的世界宗教を受容しつつ、民族宗教としての神道・『琉球・沖縄学』などが伝承されている現状からも拝察できます。
日本では、二重(複重)信仰として、多々、仏教・神道・キリスト教を補完的に実践することがあります。
初詣は神道、お盆は仏教、クリスマスはキリスト教など、各種行事・生活習慣と密着しているため、無意識の中、宗教的信仰を実践している現状があります。
個々の宗教自体も、仏教では、本来、個人の悟りを求道するべき思想が、村・家と関わることにより、概ね、祖先崇拝に限りなく近い、葬式・法事・年中行事など、儀式・法要を重視する思想に変化しているとの学説もあります。
日本にあって、宗教とは、寛容的思想の代名詞ともいえます。
なお、球陽寺(コザ山 ライカム院 球陽寺〈コザ本願寺《沖縄市》〉)の宗教は、ブッダを開祖とする仏教です。